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2023.8.16-27

Naoto Fuchigami Solo Exhibition "Reality"

Gallery TK2(東京)

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半導体は量子力学によって理解され発展してきた歴史がある。
つまり、量子力学について最も身近で人類への影響が大きいもののひとつが半導体なのである。

量子力学は、原子や分子など極微なスケールでの物質の振る舞いを記述する物理学である。あらゆる分野で広く用いられている重要な理論であるが、量子の世界で発現する数々の現象は我々の直感に反しており、非常に奇妙である。その解釈は現代においても課題として残されたままであり、哲学的な問題として様々な議論が行われている。

私は高校時代にこの量子力学に興味を持ち、大学でその理論を専攻し学んだ。
このことが作品の原点となっている。

量子力学の奇妙な現象の中でも、特に「存在とは何か」という普遍的な問いを、自身の経歴を活かし物理学の観点から作品を通して提示したい。量子の世界は人間では知覚できない極微なスケールでの現象ではあるが、あらゆる物体、自然、我々の身体など世界の全てがこの量子で構成されている。我々の世界の構造に迫る量子力学の観点を示し、鑑賞者の世界の見え方が変わるような体験を提供したい。

量子力学も含め、基礎科学は本来テクノロジーのためではなく、真理の探究を目的とする。
科学技術や利便性、利益の追求も重要ではあるが、純粋な知的好奇心で概念をアップデートするということの豊かさは、基礎科学も美術も同じであると考えている。


 

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