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relations series
事前に用意した2種類の無色透明の液体を支持体に滴下する。これらが交わった場合は化学反応を起こし赤色に呈色するが、交わらなかった場合は無色透明のままとなる。
ミクロな世界の奇妙な現象や性質について、世界は相互作用によってできているという解釈がある。この解釈によると、ある事物は明確な属性を持つ独立した実体として存在するのではなく、他の事物と関係することによってその属性が発現する。つまり、関係によって定まる属性だけが事物として存在する。関係の網が現実を織り成し、その結び目が事物なのである。
何とも相互作用せず、属性を持たないものとして見立てた無色透明の液体同士が混ざり合う(関係する)ことで、2つの事物が色を呈し(属性が発現し)、実体として出現する。この制作過程そのものが、ある一つの解釈において世界の正体を表し、抽象化した世界の模型となっている。
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